故人の携帯・スマホ — 解約と承継、決める前に確認すること
「毎月の料金が引き落とされ続けるのが気になるから、まず携帯電話の解約から片づけよう」。ご家族を亡くされたあと、そう考えるのは自然なことです。
ただ、携帯電話の契約には、解約のほかに承継(名義変更)という選択肢があります。ドコモ・au・ソフトバンクは、契約者が亡くなったときの手続きとして、この2つを案内しています。解約すればその電話番号は使えなくなり、あとから元に戻すことはできません。一方で、どちらの手続きもしないままだと、故人の名義で料金の請求が続くと案内している会社もあります。
つまり決めることは、「早く解約するかどうか」ではなく、その電話番号を残す必要があるか、料金と支払いをどう扱うかです。この記事では、承継と解約の違い、契約先に確認しておきたいこと、各社の手続きの傾向を整理します。判断に迷う点は、契約先の窓口に早めに連絡して個別に確認するのがいちばん確実です。
携帯各社は「承継」と「解約」の両方を案内しています
ソフトバンクは、契約者が亡くなった場合について「ソフトバンクショップで『承継』または『解約』のお手続きをお願いします」と案内しています。承継は「ご契約(電話番号)をそのまま、ご家族が引き継ぐお手続き」、解約は「ご契約を解除するお手続き」と説明されています。ドコモとauも、承継と解約それぞれの案内を用意しています。
違いは、電話番号と契約が残るかどうかです。承継を選べば、電話番号はそのままで、契約の名義と料金の支払いがご家族に移ります。解約を選べば契約は終わり、その電話番号は使えなくなります。解約後は、その番号あての電話やSMSを受け取ることもできません。
手数料については、ソフトバンクが「解約に際し契約解除料、手数料はかかりません」としています。ドコモは承継について、契約の継続利用期間を譲り受ける方に引き継げるとしており、承継・解約のいずれも事務手数料や手数料はかからないと案内しています。auも、承継の手数料は無料としています。
ただし、すべてがそのまま引き継げるわけではありません。ドコモは、承継ではdポイントクラブ・dポイント・d払い残高は引き継げないとしており、解約した場合はdポイント/ドコモポイントが失効するとしています。何が引き継げるかは会社ごとに異なるため、必ず契約先の案内を確認してください。
なお、回線を解約しても、端末に保存されている写真・連絡先・受信済みのメッセージが消えるわけではありません。回線の契約と、端末の中に残っているデータは別のものです。端末に残った写真の扱いは故人の写真を残す方法で説明しています。
決める前に、契約先に確認しておきたいこと
承継と解約のどちらを選ぶにしても、先に分かっているほうが判断しやすいことがあります。契約先の窓口に連絡するときは、次の点をあわせて確認してください。

- いまの契約内容と毎月の料金どの回線・どの料金プランで、毎月いくら請求されているか。手続きをしないままでも請求は続きます
- 端末の分割払いが残っていないかソフトバンクは、端末の分割払いが残っている場合、その支払いは継続して必要になるとしています
- 選べる手続きと必要な書類承継と解約では、必要書類も窓口も異なる場合があります。契約先の案内で確認してください
- 引き継げないものがあるかポイントや残高など、承継しても引き継げないものがあります。扱いは会社ごとに違います
動画配信・音楽・クラウドストレージなどの有料サービスは、回線の契約とは別の契約です。回線をどうするかとは切り離して進められるので、有料サービスの解約リストを参考にしてください。GoogleやAppleなど、ご遺族から公式に申請できる窓口については故人のアカウントのデータ申請で、整理全体の進め方はデジタル遺品整理のやることリストで説明しています。ネット銀行など金融の手がかりを探す段階はネット銀行の口座の探し方にまとめています。
番号を残すかどうかで、進む先が変わります
- 電話番号をご家族が使い続ける承継(名義変更)を検討します。契約と電話番号をそのまま引き継ぐ手続きです
- その電話番号を使う予定がない解約の手続きに進みます。必要な書類は次の章のとおりです
- どちらとも決めかねている契約先の窓口に、選べる手続き・必要書類・料金の扱いを確認したうえで判断します
解約・承継の手続きは、携帯会社ごとに違います
必要な書類も窓口も、携帯電話会社ごとに異なります。ここでは各社の公式案内に共通して見られる傾向を挙げますが、認められる書類は会社によって違うため、必ず契約先の公式ページで確認してください。
- 死亡が確認できる書類ドコモは葬儀の案内状・香典返しのお礼状・新聞の訃報欄・住民票(除票)・戸籍謄本・死亡診断書などを例として挙げています。auは戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)・除籍謄本・住民票(除票)などを案内しています
- 手続きに行く方の本人確認書類ドコモは、解約の際に来店される方の運転免許証やマイナンバーカードが必要としています
- 家族関係が分かる書類auは、姓や住所が異なる場合に、戸籍謄本や住民票などの家族確認書類が必要になるとしています
- SIMカード・端末ドコモの解約では、ドコモUIMカード/ドコモeSIMカードの返却が必要とされています(盗難・紛失の場合を除く)
窓口は、原則として店舗です。ドコモは死亡による解約を「ドコモショップ/d garden」で受け付けるとし、ソフトバンクは「ソフトバンクショップで『承継』または『解約』のお手続きをお願いします」と案内しています。auも、承継は「お近くの店舗でお申し込みいただけます」としています。
なお、オンライン専用のブランドは手続きの方法が異なります。たとえばドコモは、ahamoの契約者については郵送(ahamo契約解除申込書)での手続きになるとしています。格安SIM(MVNO)を含め、契約先ごとに案内が用意されているので、まずはその会社の公式ページを確認してください。
料金についても注意点があります。ドコモは、解約日までに利用した料金は請求となり、料金プランの月額定額料は日割り計算しないとしています。通話料などは1〜2か月ほどあとに請求される場合があるとも案内されています。承継・解約そのものに手数料はかからないとしている会社がある一方、端末の分割払いが残っていれば支払いは続きます。
端末が開けない・中が確認できないときは
端末のロックが解除できないときは、パスコードやパターンを何度も試すのは避けてください。入力の失敗が続くと、一定時間の制限がかかるなど、状況が悪くなることがあります。iPhoneの場合はiPhoneが開けないときの対応、Androidの場合はAndroidが開けないときの対応で、やってはいけないことと公式に用意されている手続きを説明しています。
端末の状況がはっきりしないうちは、その電話番号を残す必要があるかどうかも判断しにくくなります。その場合も、契約のことを決めきれないまま放っておくのではなく、契約先に連絡して、選べる手続きと料金の扱いだけでも確認しておいてください。
参考にした公式情報
この記事は、次の公式ページの記載にもとづいて作成しています(最終確認: )。手続きの内容は変更されることがあるため、実際に進める際は各公式ページで最新の案内をご確認ください。
本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、法務・税務等の専門的な助言ではありません。個別の手続きについては各サービスの公式窓口や専門家にご確認ください。記事の内容は公開・更新時点の情報に基づいています。