水没・故障したスマホの写真は取り出せる?まずやること

故人のスマートフォンが水に濡れていた、あるいは落として電源が入らなくなっている。中に残っているはずの写真のことを思うと、どうにかしたいという気持ちで手が動いてしまいます。

先にお伝えしたい結論は2つです。ひとつは、いまいちばん大切なのは、電源を入れないことと充電しないことだという点。もうひとつは、取り出せるかどうかは端末の状態次第で、事前には断定できないという点です。ここで断定する案内があれば、むしろ疑ってください。

この記事では、水に濡れた端末・壊れた端末を前にしたときの最初の対応と、かえって状況を悪くしてしまう行為、そして端末以外に写真が残っている可能性の探し方を整理します。

左に「今すぐやること」として電源を切る・乾くまで充電しない・室温で自然乾燥させるの3点、右に「やってはいけないこと」として電源を入れ直す・ドライヤーなど高温で乾かす・米の袋に入れる・コネクタに異物を差し込むの4点を並べた対比の図
左の3点は、Googleが自社のPixelについて、AppleがiPhoneについて案内している内容にもとづいています。右の4つは、Appleが避けるよう明記しているか、公式の案内とは逆の行為にあたります

今すぐやること — 電源を切って、そのまま乾かす

水に濡れた端末について、メーカーが公式に案内している内容を確認しておきます。はじめにお断りしておくと、以下はGoogleが自社のPixelについて、AppleがiPhoneについて案内している内容です。故人の端末がほかのメーカーのものであれば、そのメーカーの案内をご確認ください。

Googleは、自社のPixelが水の中に落ちた場合の手順として「Pixel を水から引き上げます」「電源をオフにします」「柔らかい布で水分を取り除きます」「平らな場所に置いて、室温で完全に乾かします」の4つを挙げています。PixelのUSB-Cポートが濡れている場合についても、電源を切ったうえで「スマートフォンと充電ケーブルをそれぞれ平らな場所に置き、室温で乾かします」と案内しています。

Appleの案内は、iPhoneのコネクタやケーブルの内部で液体が検知され、警告が表示されたときの対処として書かれています。そこでは、コネクタが濡れている状態で充電すると「コネクタやケーブルのピンが腐食したり、損傷して使えなくなったり、機能不全に陥ったりする可能性があります」として、iPhoneとケーブルが完全に乾くまではケーブルをつながないよう求めています。乾かし方は、コネクタ部を下向きにして手のひらに載せて優しくたたき、風通しのよい乾いた場所で自然乾燥させる方法です。

この案内には、乾くまでに時間がかかる場合があることも書かれています。ただし、そこで書かれているのはコネクタに残った液体が乾いて充電できるようになるまでの話であって、端末全体が元どおりになるまでの目安ではありません。「時間が経ったから大丈夫」と判断できるものではない、とお考えください。

整理すると、Googleが自社のPixelについて案内しているのが「電源をオフにする」「室温で完全に乾かす」、Appleが案内しているのが「乾くまでケーブルをつながない」「風通しのよい乾いた場所で自然乾燥させる」です。合わせると、いま手元でできることは「電源を切る」「乾くまで充電しない」「室温で自然乾燥させる」の3つになります。裏を返せば、動くかどうかを確かめるために電源を入れ直すことは、Googleが案内している「電源をオフにします」とは逆の行為になります。故人の端末のように中のデータを取り出すことが目的の場合は、確認のための通電こそ避けるべきだとお考えください。

なお、強く振る、叩きつけるといった扱いは、AppleやGoogleの案内には出てきません。上のとおり、Appleが案内しているのは、コネクタ部を下向きにして優しくたたく程度の扱いです。

やってはいけない4つのこと

  • 電源を入れ直すGoogleは自社のPixelについて、水から引き上げたあと「電源をオフにします」と案内しています。動くかどうかを確かめるための通電は、この案内とは逆の行為になります
  • ドライヤーなど高温で乾かすAppleはiPhoneについて「高温の熱源やエアダスターでiPhoneを乾かさないでください」と明記しています
  • 米の袋に入れるAppleは「iPhoneを米の袋に入れないでください」とし、米の小さな粒子が原因で損傷するおそれがあるとしています
  • コネクタに異物を差し込むAppleは綿棒やペーパータオルなどの異物をコネクタに挿入しないよう案内し、GoogleもPixelのUSB-Cポートについて「内部には何も入れないでください」としています
いずれも「早く何とかしたい」という気持ちから起こります。この4つだけは避けてください

なお、ご自身で分解することはおすすめしません。これは公式に禁止として案内されているものではありませんが、けがの危険があるうえ、内部の状態が変わると専門業者でも扱いにくくなることがあるためです。

ひび割れたガラス
見た目に異常があるときは、通電せずそのまま保管します

端末の状態で、次にやることが変わります

同じ「壊れたスマホ」でも、いまどの状態にあるかで次の一手は変わります。

  • すでに電源が入っていて、画面も操作できる水にぬれた端末は、動いていても内部の腐食が進んでいることがあります。ぬれた形跡がある端末は、操作できる状態であっても電源を切ってください。動いているうちに取り出そうとして通電を続けると、内部の腐食が進み、あとで専門業者が扱える範囲まで狭めてしまうことがあります。データの取り出しは、乾かしたうえで専門の窓口に相談するのが確実です
  • 電源は入るが、パスコードが分からない端末が動いても中の写真は表示できません。iPhoneのパスコードが分からないとき/Androidの画面ロックが分からないときをご覧ください
  • 電源が入らない・反応がないそれ以上通電せず、そのまま保管して専門業者に相談してください
  • 水没ではないが落として壊れた通電を繰り返さない点は水没と同じです。状態をそのまま伝えて相談してください
「電源が入るか」と「中が見られるか」は別の問題です

ここで正直にお伝えしておきたいことがあります。端末が物理的に動くようになっても、画面ロックのパスコードが分からなければ、中の写真は見られません。水濡れや故障への対応と、画面ロックの問題は、まったく別のものとして考えてください。

「修理に出せば写真が見られる」と考えて修理を依頼すると、動く端末が戻ってきただけで目的を果たせないことがあります。パスコードが分からない状態であれば、修理を頼む前にその点をご相談ください。

端末が直らなくても、写真が残っている場所があります

端末の復旧には費用も時間もかかります。その前に、そもそも端末から取り出す必要があるのかを確かめておくと、判断がぐっと楽になります。

  • クラウドの同期先iPhoneならApple ID、AndroidならGoogleアカウント。端末が壊れていても、同期の設定がされていればアカウント側に写真が残っている場合があります
  • 家族や友人への送信履歴LINEやメール、メッセージアプリで送られた写真は、受け取った側の端末に残っています。ご親族に心当たりを聞いてみてください
  • パソコンや外部メディアへのバックアップ故人のパソコン、外付けHDD、USBメモリ、SDカード、デジタルカメラに、過去にコピーした写真が残っていることがあります
  • 印刷された写真・フォトブックプリントやアルバム、年賀状も、探している一枚が見つかる手がかりになります
端末の復旧を検討する前に、この4か所を確認してみてください

なお、パソコンや外付けHDDから「カチカチ」といった異音がする場合は、そちらも通電を止めてください。詳しくは外付けHDDから異音がするときをご覧ください。整理の全体像はデジタル遺品整理のやることリストにまとめています。

専門業者に相談したほうがよい場合と、伝えるとよいこと

次のような状態であれば、ご自身で試すより先に相談したほうが、結果的に選択肢が広く残ります。

  • 水に濡れた端末で、電源が入らない
  • 電源は入るが、画面が映らない・動作が不安定
  • 自分で乾かしてみたが、症状が変わらない
  • 中の写真をどうしても取り出したい

なお、ご相談いただいても、ロックされた端末を開けたり、本人確認を代行したりできるわけではありません。ご一緒にできるのは、端末をそのまま保全したうえで状態を確かめ、ほかに写真が残っていないかを整理し、どの窓口に何を相談すればよいかを決めるところまでです。

相談のときに次の4点を伝えられると、状態の判断が早くなります。

  1. いつ、どんな液体に、どのくらいの時間触れたか
  2. そのあと電源を入れたか、充電したか
  3. 乾かすために何をしたか(ドライヤーを当てた、米の袋に入れた、そのまま自然乾燥させた など)
  4. 端末の機種名

また、AppleはiPhoneに「液体浸入インジケータ(LCI)」が内蔵されていると説明しています。通常は白またはシルバーで、水または水を含む液体に触れると全体が赤くなるもので、SIMトレイの中などから確認できるモデルがあります(外側から見えないモデルもあります)。水に触れたかどうかがはっきりしないときの手がかりになります。

あわせて知っておきたい点として、iPhoneやiPodの液体による損傷の修理は、Apple製品1年限定保証の対象外とされています。Googleも自社のPixelについて、水漏れなど事故や外的要因で生じた損傷は保証の対象外としています。メーカー修理という選択肢は、費用の面でも前提が変わることを知っておいてください。

写真が取り出せるかどうかは、実際に状態を見てみないと分かりません。それでも、電源を入れずに、そのまま保管しておくことは、いまこの瞬間からできます。急いで操作するより、状態を保ったまま次の判断に進むことが、結果的にいちばんの近道になります。

参考にした公式情報

この記事は、次の公式ページの記載にもとづいて作成しています(最終確認: )。手続きの内容は変更されることがあるため、実際に進める際は各公式ページで最新の案内をご確認ください。

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本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、法務・税務等の専門的な助言ではありません。個別の手続きについては各サービスの公式窓口や専門家にご確認ください。記事の内容は公開・更新時点の情報に基づいています。

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